リスクマネジメントサポート

〇故やトラブルを防ぐには…

介護事業は地域密着の事業です。利用者や家族、地域住民などから、悪い評価を受けると、事業そのものに大きく影響します。特に事故や大きなトラブルが生じると、うわさが独り歩きし、事業所の評価を一気に低下させることになってしまいます。すべての介護事業者で、事故や大きなトラブルは必ず起こります。事故や大きなトラブルを全くゼロにすることは、不可能ですが、あらゆるリスクをあらかじめ想定し、起こりうる確率を最小限にし、また、起こった際にも最小限の被害に止めるということが介護事業所にとって非常に重要です。

【事故やトラブルを防ぐには】
  • 職員の質の向上
  • あらかじめ危険箇所やリスクを想定したヒヤリハット
  • 個々の利用者の身体状況の把握
  • 利用者、家族とのコミュニケーション
  • 職員どうしの連携の確認
【当事務所がお役に立てること】
  • 他の事業所で生じた事故事例などをご紹介します。
  • 第三者(介護職員以外)の「目」から見たヒヤリハットの作成を職員の皆さんと作成していきます。

▲螢好とサービスのバランス(身体拘束になっていませんか?)

しかし、あまりにもリスクを気にすることによって、利用者にとって満足度の低いサービスになってしまったり、気が付かないうちに利用者に対する身体拘束につながるおそれもあります。

【当事務所がお役に立てること】
  • 当事務所が、施設等でのサービス評価を行います。
  • 第三者(介護職員以外)の「目」から見たサービスの質やリスクのバランスについて、課題を提起し、どのようなサービスを目指すか職員の皆さんと一緒に考えます。

6畴の介護トラブルによる裁判例

近年、権利意識の高まりから、小さな事故でも、その後の処理方法のミスや感情のもつれなどから、大きなトラブルになるケースも増加しています。多くの場合は、裁判になる前に金銭での和解するケースがあり、あまり表には出てきません。しかし、双方が納得しないときは、裁判にまで発展するケースも増加しています。いずれにしてもかなりの労力と精神的な疲労、金銭的な損害など、良いことは一つもありません。

トイレ内での転倒事故事例

■事故が発生した施設:通所介護サービス(デイサービス)
■判決年月日:平成17年3月22日(横浜地裁)

(事故の経緯)
平成14年7月1日、利用者Aがデイサービスを利用した際に、施設トイレへ介助つきで歩行した。その際、トイレ内への付き添いを拒否し、独歩でトイレ内に入ったところ転倒。右大腿骨頚部内側を骨折。人工骨頭地置換術を受けたが、以後生活全てにおいての介助が必要となった。利用者が施設に対し、トイレ内での歩行介護を怠った安全配慮義務違反があるとして損害賠償請求した事例。

(裁判所の判断)
施設は、契約上の安全配慮義務として、Aの送迎時や施設内にいる間、Aが転倒することを防止するため、特段の事情のない限り常に歩行介護をする義務を負っていた。施設職員としては、Aが拒絶したからとって直ちにAを一人で歩かせるのではなく、Aを説得して、Aが便器まで歩くのを介護する義務があったというべきであり、これをすることなくAを一人で歩かせたことについては、安全配慮義務違反があったといわざるを得ない。介護拒絶の意思が示された場合であっても、介護の専門知識を有すべき介護義務者においては、要介護者に対し、介護を受けない場合の危険性とその危険を回避するための介護の必要性とを専門的見地から意を尽くして説明し、介護を受けるよう説得すべきであり、それでもなお要介護者が真摯な介護拒絶の態度を示したというような場合でなければ、介護義務を免れることにはならないというべきである。

【結論】
損害賠償額 約1,250万円(原告の過失割合3割)

介護介助中に誤嚥し窒息死した事例

■事故が発生した施設:特養併設のショートステイ
■判決年月日:平成16年7月30日(名古屋地裁)

(事故の経緯)
利用者A (75歳・男性)歩行ができないため、車いすを利用、日常的に介護が必要。見当識喪失がみられ、軽度の認知症。会話も困難。食事は一口大、嚥下障害あり)が特養併設のショートステイを利用していたが、利用6回目の昼食時に介護職員が他の自力摂取中の利用者と2名の食事介助中、誤嚥を発見する。介護職員はタッピングをし、はんぺん1片が出た。その後、要請した救急隊員が、喉からこんにゃく1個とはんぺん片数個を除去する。病院搬送、同日死亡が確認された。

(裁判所の判断)
入所時の一般状態調査票の記録に嚥下障害ありと記載されており、こんにゃくが嚥下障害の患者に向かない食物であることはホームページ等でも紹介されている。こんにゃくを食べさせるにあたり細心の注意を払う必要があったのは明らかで、食べさせた後、口の中の確認および嚥下動作の確認をする注意義務を負っていた。介護職員は、Aの口の中のこんにゃくがあったことを見過ごし、飲み込んだかどうか(嚥下動作)を確認しないで、はんぺんを食べさせたものと推認することができる。

【結論】
損害賠償額 約2,400万円

【当事務所がお役に立てること】
  • 他の事業所で生じた事故事例などをご紹介します。
  • リスクに対しての意識を高めるために、研修等のお手伝いができます。